同軸ケーブルを延長するやり方は?アンテナ線などの長さが足りない時の対処方法を解説

同軸ケーブルは、地上波デジタル放送やケーブルテレビなどにおける映像と音声信号の伝送をはじめ、ケーブルテレビ回線を利用したインターネット通信等にも使われる身近なものです。
そのため、アンテナ線の距離を延ばすことなどを目的に同軸ケーブルの延長を試みる方も多いですが、同軸ケーブルを延長する方法としては、どのようなやり方があるのでしょうか。
そこで今回は、同軸ケーブルを延長する3つのやり方と、延長する上での注意点について解説していきます。
目次
同軸ケーブルを延長するやり方は大きく3つ
伝送距離に合わせ、同軸ケーブルを延長するやり方としては大きく以下の3つが考えられます。
- 必要な長さの同軸ケーブルを購入し、長さが足りないものと交換する
- 中継接栓を購入し、2本以上の同軸ケーブルをつないで延長する
- 未加工の同軸ケーブルと同軸コネクタを購入し、必要な長さで加工する
次項からは、上記3つの方法で同軸ケーブルを延長する場合の具体的なやり方について、それぞれ見ていきましょう。
【関連記事】「同軸ケーブルとは?何に使う?主な使い方や特徴などの基礎知識をまとめて解説」
【同軸ケーブルを延長するやり方1】買い替える
伝送距離に合わせて同軸ケーブルを延長する方法のうち、最も簡単なやり方としては、必要な距離に対して十分な長さの同軸ケーブルを購入し、まるごと交換することが挙げられます。
この方法であれば、特別な知識や道具がなくても、購入費用を支払うだけで簡単に同軸ケーブルを延長することができます。あまり時間をかけずにできるやり方で同軸ケーブルを延長したい、後述するような接栓の取り付け、またはケーブル加工を行うのが難しいという方には、このやり方がおすすめです。
ホームセンター等のお店で、用途と必要な伝送距離に合った同軸ケーブルを探してみましょう。
なお、同軸ケーブルの代表的な規格や選び方のポイントについては、以下の記事でもご紹介しています。興味のある方は、同軸ケーブルを選ぶ上での参考としてこちらもご覧ください。
【関連記事】「同軸ケーブルの代表的な規格・種類を解説|基本情報や選び方のポイントも」
【同軸ケーブルを延長するやり方2】接栓を付ける

長さが足りない同軸ケーブルの他に予備のケーブルを持っているという場合は、中継接栓や変換コネクタと呼ばれるパーツで2本以上の同軸ケーブルをつなぎ、延長するのがおすすめです。
なお同軸ケーブルの中継接栓、ならびに変換コネクタの概要はそれぞれ以下の一覧の通りです。
同軸ケーブル用の「中継接栓」とは | 両端にオス、メス両方の開口部を持つパーツ。 同型のコネクタを装着した複数の同軸ケーブルをつなぎ、延長したい場合に使用する。 「同軸アダプター」や「中継アダプター」「プラグ」などとも呼ばれる。 |
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同軸ケーブル用の「変換コネクタ」とは | 両端に異なる型のコネクタ開口部を持つパーツ。 コネクタの型が異なる複数の同軸ケーブルをつなぎ、延長したい場合に使用する。 |
同軸ケーブルに取り付けるコネクタには、用途や接続機器によりいくつかの種類があります。
中継接栓や変換コネクタを使ったやり方で同軸ケーブルを延長する場合は、接続予定の同軸ケーブルにどのようなコネクタが装着されているのか、事前に確認するようにしてください。
また製品によっては、中継接栓や変換コネクタで同軸ケーブルをつなぐ際に、ペンチなどの工具が必要になることもあります。延長パーツの取り付け方や、取り付けに必要な道具の有無についても、作業に入る前に確認しておくようにしましょう。
【同軸ケーブルを延長するやり方3】自分で加工する

接栓やコネクタで接続できるような予備の同軸ケーブルがない、延長したい伝送距離に合った同軸ケーブルが売っていないという場合のやり方としては、まだ同軸コネクタが装着されていない未加工の同軸ケーブルを購入し、必要な長さで切断・加工して作る方法が挙げられます。
この方法で同軸ケーブルを延長する最大のメリットは、必要距離に対して過不足のない長さの同軸ケーブルを用意できるところです。一方でデメリットとしては、実施するのに以下のような道具や部品が必要なこと、そして配線加工の知識が求められることが挙げられるでしょう。
- 未加工の同軸ケーブル
- 用途と特性インピーダンスに合った同軸コネクタ
- 定規
- ニッパー
- ペンチ
- カッターナイフ
ただ、道具と基本的な知識さえあれば、配線のプロでなくても同軸ケーブルの加工は可能です。
以下に、未加工の状態から切断・加工を行い、伝送距離と用途に合った同軸ケーブルを作る手順を紹介しておきますので、参考としてご覧ください。
伝送距離に合わせて同軸ケーブルを加工する手順
- まず、未加工の同軸ケーブルを必要な長さでカットする
- 先端からおよそ1.5㎝のところにカッターの刃を入れ、外部被覆を剥く
- 次に、外部導体である編組線をめくって広げていき、2㎜ほど残してニッパーで切る
- 切り終えた編組線は、外部被覆の切り口に巻きつけておく
- 外部被覆の切り口から3㎜ほど離れた位置で、アルミ箔と絶縁体に切り込みを入れる
- 中心導体を傷つけないように注意しながら、絶縁体の切り込みを一周させる
- 絶縁体が切れたら、指でつまんで回し、中心導体を残して抜き取る
- この時、中心導体に絶縁体等の付着物が残っていたら、きれいに取り除く
- 加工した同軸ケーブルに、コネクタ用のアルミリング(かしめリング)を通す
- 同軸コネクタを編組線と絶縁体の間に強く押し込み、しっかりと挿入する
- アルミリングを同軸コネクタの根元まで移動させ、ペンチで止めて固定する
【関連記事】「同軸ケーブルの基本構造とは?代表的な用途や構造上の特徴についても解説」
同軸ケーブルを延長して使用する時の注意点は?
最後に、ここまでに見てきたようなやり方で同軸ケーブルを延長する上で、知っておいて欲しい注意点を3つ紹介していきます。延長の方法や加工の手順と併せて、こちらもご確認ください。
延長のし過ぎによる信号の損失・減衰に注意
同軸ケーブルには、伝送距離が延びれば延びるほど、また外径(太さ)が細くなるほど、信号の損失や減衰が起こりやすくなるという特徴があります。そのため、伝送距離を伸ばすためにどんどん同軸ケーブルを延長すると、十分に信号が届かなくなってしまうリスクがあるのです。
テレビの映像信号等を遠くまで届けたい場合は、同軸ケーブルの延長や分配器の使用だけでなく、ブースターの併用や室内アンテナの使用、テレビ用コンセントの増設も検討しましょう。
【関連記事】「同軸ケーブルの損失・減衰とは?主な原因と低減のためにできること」
用途や使用環境に合ったパーツを使って延長する
同軸ケーブルは、同じ特性インピーダンスを持つケーブルとコネクタを選び、組み合わせて使うことが求められます。また屋外用の同軸ケーブルを延長する場合は、安全のために屋外での使用に適した耐久性の高いケーブルや、防水仕様の中継接栓等を取り付けなければなりません。
このように、同軸ケーブルを安全に使用するには、守らなければならないルールがあります。
ご自身で同軸ケーブルの延長や施工を行う際は、必ず用途や想定される使用環境を考慮した上で、適切なパーツを使うようにしてください。
生活や作業の邪魔にならない場所に設置する
同軸ケーブルは、一定以上圧迫されると中心導体と外部導体の間隔が極端に狭くなり、正常に信号を送信できなくなったり、断線してしまう恐れがあります。延長した同軸ケーブルは、生活や作業の妨げにならない場所を選んで設置するようにし、圧迫や断線を防ぎましょう。
同軸ケーブルと周辺機器のリサイクル・リユースに関するご相談は「クリエイトジャパン」へ

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