SDIケーブルとは?同軸ケーブルやアンテナケーブル・フィーダー線との違い

ケーブルにはさまざまな種類があり、違いがわかりにくいため、混同されることも多いです。
そこで今回は同軸ケーブルやアンプ、タップ、PSなどケーブルテレビ周辺機器のリサイクルとリユースに注力しているクリエイトジャパンが、SDIケーブルと同軸ケーブルの違いについて、これらと混同されやすいアンテナケーブル、フィーダー線との違いと併せて解説していきます。
取り扱う機会の多い同軸ケーブルとSDIケーブルにどのような違いがあるのか、改めて確認しておきたいという通信事業者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
違いの前に確認!SDIケーブルの基礎知識
まずは、SDIケーブルの名前の由来と主な用途・特徴等の基本情報を確認していきましょう。
SDIケーブルとは、デジタル映像とデジタル音声を非圧縮で伝送できるケーブルの総称です。
SDI(Serial Digital Interface/シリアルデジタルインターフェース)と呼ばれる伝送規格で映像と音声の信号を送るケーブルであることから、この名前で呼ばれています。
100m程度であれば遅延することなく映像と音声の信号を伝送できるのが特徴で、主にテレビ局等の放送施設内や中継現場などにおいて、業務用のテレビカメラに接続して使われています。
また近年では、地上波テレビのデジタル放送以外にも、高速での映像・音声信号の伝送が求められるインターネット配信等において、SDIケーブルが使われる傾向にあるでしょう。
送信するSDI信号の規格は、当初は標準画質を非圧縮で伝送するための「SD-SDI」のみで、コンポーネント映像信号とコンポジット映像信号の送信に対応していました。しかし近年では、映像の高画質化に伴って「HD-SDI」や「3G-SDI」が、さらに4K画質に対応するための仕様として「6G-SDI」「12G-SDI」なども誕生しています。
そのためSDIケーブルを購入・使用する時は、あらかじめ伝送したい映像や音声の信号の質を確認した上で、信号の規格に合ったケーブルを選ばなければなりません。この点も、SDIケーブルに関する基礎知識の一つとして覚えておくと良いでしょう。
コネクタの名称から「BNCケーブル」と呼ばれることも
SDIケーブルは、映像信号の伝送に適した同軸ケーブルと同軸コネクタを組み合わせて作られています。
具体的には、テレビ用として使われる特性インピーダンス75Ωの同軸ケーブルに、同じ特性インピーダンスの同軸コネクタを接続して使うのですが、SDIケーブルに取り付ける同軸コネクタとしては、長い間BNCコネクタと呼ばれるバヨネット式のものが主流として使われてきました。
そのためSDIケーブルは、コネクタの名称をもとにした「BNCケーブル」という名前で呼ばれていることもあります。呼び方の異なるSDIケーブルとBNCケーブルですが、両者は基本的に同じものだと考えて問題ないでしょう。
【関連記事】「同軸ケーブルとは?何に使う?主な使い方や特徴などの基礎知識をまとめて解説」
SDIケーブルと同軸ケーブルの違いとは?

先述した通り、SDIケーブルは映像信号の伝送用に設計・製造された同軸ケーブルの一種です。
そのため、基本的な構造や伝送のメカニズムなどにおいてSDIケーブルと同軸ケーブルに大きな違いはありませんが、「呼び方の由来」と「用途が明確かどうか」という点においては、違いを見出すことができます。
具体的な違いについては、以下の一覧にまとめましたので、SDIケーブルと同軸ケーブルの違いを理解し、用途に合ったケーブルを選択・施工するための参考としてご覧ください。
呼び方の由来 | 用途が明確かどうか | |
---|---|---|
SDIケーブルの場合 | 伝送する信号の名称、用途をもとにした呼び方。 | 同軸ケーブルのうち、SDI信号の送信を想定して設計されたもの、またはSDI信号を伝送する用途で使われるものだけを指す。 |
同軸ケーブルの場合 | 同心円状に複数の層を重ねたケーブルの構造を根拠にした呼び方。 | 想定される用途、使い方に関係なく、同軸ケーブル全般を指す。 |
【関連記事】「同軸ケーブルの損失・減衰とは?主な原因と低減のためにできること」
SDIケーブル・同軸ケーブルと他のケーブルの違い

SDIケーブルと同軸ケーブルの違いがわかったら、次は、これらと一緒に使用する機会が多く、混同されやすいアンテナケーブル、フィーダー線との違いについても確認していきましょう。
SDIケーブル・同軸ケーブルと「アンテナケーブル」との違い
アンテナで受信した地上波テレビ放送や、ケーブルテレビの映像信号・音声信号を屋内へ引き込み、テレビ等と接続するためのケーブルをアンテナケーブル、またはアンテナ線と言います。
ケーブルの種類としては、SDIケーブルと同じく同軸ケーブルの一種ですが、SDI信号の伝送に適した種類のうち、外径が細く、柔らかくて室内に設置しやすいものについてはアンテナケーブルとして使われるケースが多いです。
伝送する信号の種類、主な用途は共通しているものの、想定される使用環境や接続機器において、SDIケーブルとアンテナケーブルには大きな違いがあると理解しておきましょう。
【関連記事】「同軸ケーブルの仕組みを解説|高周波電気信号を伝送するための方法・構造とは?」
SDIケーブル・同軸ケーブルと「フィーダー線」との違い
フィーダー線とは、送受信機とアンテナをつなぎ、高周波電力を供給する給電線のことです。
ケーブルの種類としては、大きく平衡型と不平衡型の2種類があります。平衡型のフィーダー線とは、2本の導線が平行に並ぶように保持したケーブルのことで、リボンフィーダーやめがねフィーダー、はしごフィーダーなどの種類があり、用途に合わせてこれらを使い分けます。
ただ近年では、上記のリボンフィーダー、めがねフィーダーなど一部の平衡型フィーダー線の代わりに、不平衡型フィーダー線として使われてきた同軸ケーブルを使うことも多くなってきています。
SDIケーブル、アンテナケーブルはいずれも映像や音声といった電気信号を伝送するためのものでしたが、フィーダー線は電力を伝送するためのケーブルです。同軸ケーブルにこのような用途があることも、SDIケーブルとの違いと併せて覚えておくと良いでしょう。
SDIケーブル・同軸ケーブルはどちらもリサイクルできる!
銅やアルミなどの金属と樹脂から作られている同軸ケーブルは、リサイクル可能な有価物です。
有価物とは、本来の役割を終えた後も、資源としての価値を持つ品物のこと。同軸ケーブルは、光ケーブルへの切替工事等で電気信号や電力の伝送といった役目を終え、不用品となった後も、適切に破砕し素材ごとに選別することによって再利用可能な資源となる有価物なのです。
SDIケーブルやアンテナケーブル、そして不平衡型のフィーダー線などの同軸ケーブルは、すべて買取・回収の対象となります。不要になった各種同軸ケーブルの処分方法が決まらず困っているという場合は、ケーブルの用途に関わらず、まずは同軸ケーブルの買取・回収に対応している専門業者に相談してみてください。
同軸ケーブルと周辺機器のリサイクル・リユースに関するご相談は「クリエイトジャパン」へ

私たちクリエイトジャパンは、同軸ケーブルの買取と回収、リサイクルに取り組む会社です。
また同軸ケーブルの買取と再資源化以外にも、以下のような品物について有価物として買取・回収するとともに、必要としている方のもとへ届ける再利用化事業にも注力しております。
- 同軸ケーブル、引き込みケーブル、SSFケーブル
- アンプ、タップ、PS関連、ヘッドエンド設備、端末機器
- バッテリー、保安器、モデム、STB など
なお光ケーブルなど、一部買取対応できないものもございます。そのような場合は、産業廃棄物として当社で運搬・処分対応することも可能です。
設備の保守や切替工事等のために、ご不要になった同軸ケーブルやケーブルテレビの周辺機器などがございましたら、リサイクルとリユースの豊富なノウハウを持ち、全国対応にて有価物の買取と回収を行う私たち「クリエイトジャパン」に、ぜひお気軽にお問合せください!