同軸ケーブルを使ったインターネット通信を解説!メリット・デメリットや配線方式の種類は?

同軸ケーブルは、主に高周波電気信号(RF)を通信するのに使われる被覆電線の一種です。
日本における代表的な用途としては、映像と音声を高速で通信するケーブルテレビ回線、またケーブルテレビ回線を流用したインターネット通信が挙げられるでしょう。
そこで今回は、同軸ケーブルとその周辺機器であるアンプ、タップ、HFC機器、PS等のリユース・リサイクルの事業に取り組む私たちクリエイトジャパンが、同軸ケーブルを使ったインターネット通信の仕組みや種類、メリット・デメリットについてまとめて解説していきます。
目次
同軸ケーブルを使ったインターネット接続の方法・種類とは
同軸ケーブルを用いたインターネット通信の配線方式としては、大きく「HFC方式」と「同軸方式」の2種類があります。
どちらもケーブルテレビの回線として設置した同軸ケーブルを使ってインターネット接続を行うという点では共通していますが、その配線方式は、それぞれ以下のように異なっています。
同軸ケーブルを使ったインターネット接続 「HFC方式」とは | ケーブルテレビ局から中継所、または建物の受信設備までは光ケーブルを使った光通信で信号を伝送し、そこから各戸に対しては同軸ケーブルで信号を伝送する方式のこと。 同軸ケーブルと光ケーブル、双方の特徴を生かしたインターネット接続の方法とされる。 |
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同軸ケーブルを使ったインターネット接続 「同軸方式」とは | ケーブルテレビ局から各戸まで、同軸ケーブルだけを使って信号を伝送する方式のこと。 ケーブルテレビの受信、インターネットへの接続のどちらも同軸ケーブルだけで行う。 |
なお、同軸ケーブルを使ったインターネット接続の方法としては、上記のうちHFC方式が主流となっています。光ケーブルを使った光回線の普及が進む現代においては、同軸ケーブルだけを使う同軸方式でのインターネット接続はほとんど行われていないと理解しておきましょう。
【関連記事】「同軸ケーブルとは?何に使う?主な使い方や特徴などの基礎知識をまとめて解説」
同軸ケーブルによるインターネット通信のメリット

ここからは、ケーブルテレビの回線を利用し、同軸ケーブルを使ったHFC方式でインターネット接続を行うことによるメリット・デメリットについて、それぞれ確認していきましょう。
まず、同軸ケーブルを用いたインターネット接続のメリットとしては、以下が挙げられます。
光回線が整備されていないエリアでも導入しやすい
山間部など一部の地域では、光通信に必要な光ケーブルの敷設工事が十分に進んでいないため、光回線を利用できない場合があります。また都市部においても、建物の構造上、古いマンションやアパートに新しく光回線を引くのが難しく、光通信を導入できないケースがたくさんあると言われています。
対してケーブルテレビ回線は、山間部を含む幅広い地域、建物に設置されている通信設備です。
同軸ケーブルで接続されたケーブルテレビ回線を活用すれば、光通信に対応していない山間部や古い集合住宅においても、比較的簡単にインターネット接続を行えるでしょう。
光回線に比べて安く、手軽に利用できることが多い
ケーブルテレビ回線を使ったインターネット接続は、もともとあった受信設備と同軸ケーブルを利用して通信環境を整えていく形になるため、簡単な接続工事と手続きだけで完了します。
また、ケーブルテレビと一緒にインターネットのプランに加入すれば、工事が一度で済む上、それぞれ別の会社のサービスに申し込む場合に比べて安く利用できることが多いのです。
このように、少ない手間と費用で手軽に利用できるところも、既存のケーブルテレビ回線と同軸ケーブルを使ってインターネット接続を行うメリットだと言えるでしょう。
同軸ケーブルによるインターネット通信のデメリット
続いて、ケーブルテレビ回線を利用して同軸ケーブルでインターネット接続を行うことのデメリットを3つ紹介していきます。
光回線に比べると通信速度が遅い
一般的に、光ケーブルの通信速度は最大で10Gbpsほどと言われていますが、ケーブルテレビの回線を利用した同軸ケーブルの通信速度は最大数百Mbps〜1Gbpsくらいまでとされています。
数百Mbps〜1Gbpsでもインターネット接続を行うには十分な通信速度ですが、使用する環境や時間帯によっては通信が混み合い、さらに速度が低下することもあるため、用途によっては不便さを感じるかもしれません。
通信距離が延びると減衰が起こりやすい
電圧の変化で電気信号を伝送する同軸ケーブルには、距離が延びるほど伝送損失による信号の減衰が起こりやすくなったり、光ケーブルに比べ外部からの信号の侵入、電磁波の干渉といったノイズの影響を受けやすいという弱点があります。
そのため、同軸ケーブルを使ったインターネット通信は、光ケーブルを使った接続よりも安定しにくいと言えるでしょう。
通信設備が豪雨や落雷等の災害に弱い
同軸ケーブルは、中継所に設置されたアンプ、PS等の機器から通信のサポートや電源の供給を受けて電気信号の伝送・通信を行っています。しかし、これらの同軸ケーブル周辺機器は、落雷や豪雨が起こるとショートや停電、水没のために故障してしまうことも多いのです。
近年、天候による災害が激甚化していることを考えると、災害への脆弱性も同軸ケーブルを用いたインターネット通信のデメリットの一つだと考えられます。
インターネット通信は光ケーブルへの移行が進んでいる
同軸ケーブルと光ケーブルを使った配線方式をHFC方式と呼ぶのに対し、ケーブルテレビ局から各戸まで、光ケーブルだけでインターネット接続を行う方法を「FTTH方式」と言います。
総務省が発表した令和6年3月25日版の「ケーブルテレビの現状と課題」によると、ケーブルテレビ回線を設置している世帯のうち、令和3年度末時点でFTTH方式への切替えが完了している割合は全体のおよそ3割ほどであり、残りの7割は、同軸ケーブルを使ったHFC方式のままでした。
このように、現在も同軸ケーブルを使ったケーブルテレビ回線・インターネット接続は多用されていますが、ケーブルテレビ各社が同軸ケーブルを使ったテレビ放送やネット接続の新規受付を停止・終了しているため、今後は徐々にFTTH方式への移行が進んでいくと考えられます。
移行が完了する具体的な時期については諸説ありますが、近い将来、同軸ケーブルを使ったインターネット接続は行われなくなり、すべて光ケーブルでの接続に切り替わっていくでしょう。
なお、HFC方式からFTTH方式への移行に伴い不要になった同軸ケーブルは、資源としてリサイクルが可能です。不要になった同軸ケーブルの処分にお困りの場合は、まず同軸ケーブルの買取と回収、リサイクルに対応している専門業者に相談してみることをおすすめします。
【関連記事】「同軸ケーブルの基本構造とは?代表的な用途や構造上の特徴についても解説」
同軸ケーブルと周辺機器のリサイクル・リユースに関するご相談は「クリエイトジャパン」へ

私たちクリエイトジャパンは、同軸ケーブルの買取と回収、リサイクルに取り組む会社です。
また同軸ケーブルの買取と再資源化以外にも、以下のような品物について有価物として買取・回収するとともに、必要としている方のもとへ届ける再利用化事業にも注力しております。
- 同軸ケーブル、引き込みケーブル、SSFケーブル
- アンプ、タップ、PS関連、ヘッドエンド設備、端末機器
- バッテリー、保安器、モデム、STB など
なお光ケーブルなど、一部買取対応できないものもございます。そのような場合は、産業廃棄物として当社で運搬・処分対応することも可能です。
設備の保守や切替工事等のために、ご不要になった同軸ケーブルやケーブルテレビの周辺機器などがございましたら、リサイクルとリユースの豊富なノウハウを持ち、全国対応にて有価物の買取と回収を行う私たち「クリエイトジャパン」に、ぜひお気軽にお問合せください!